亜鉛は約200種類以上の酵素反応に関与しており、細胞の新陳代謝や成長促進、生殖機能や味覚の維持などに欠かせない重要なミネラルです。

そんな亜鉛の働きや効果、多く含む食べ物、欠乏症や過剰症などについて簡単にまとめてみました。

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亜鉛とは

食物中の亜鉛は小腸上部で吸収され、アルブミンと結合し、肝臓に運ばれます。

食物からの吸収率は約30%ほどと言われていますが、鉄や銅などと一緒に摂ると拮抗し、吸収率が下がります。

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亜鉛は体内に約2000mgほど存在し、筋肉や骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに分布し、ほとんどがたんぱく質と結合しています。

主に便に排泄され、尿中への排泄はそれほど多くありません。

亜鉛の働き

亜鉛は酵素の構成成分および補酵素としてエネルギー代謝に関わっており、関与する酵素は200種類を超えます。

亜鉛酵素としてDNAやRNAなど核酸の合成、たんぱく質合成、インスリン合成や糖質の代謝、アルコール代謝などに関わっています。

また、活性酸素を除去するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)という酵素の補酵素として働くことで、抗酸化作用にも関わっています。

亜鉛と味覚

亜鉛の働きでよく知られているのは、正常な味覚の維持です。

味を感じるのは、舌の表面にある味蕾(みらい)という器官の働きです。

亜鉛はこの味蕾の細胞の新陳代謝に関わっているため、軽度の欠乏でも味覚異常が生じ、さらに食欲不振へとつながります。

亜鉛が欠乏すると、味覚異常や食欲不振のほかに、成長障害、皮膚炎、精神障害(うつ状態)、免疫能低下、催奇性、生殖機能異常、慢性の下痢、低アルブミン血症、汎血球減少、性腺発育障害などを引き起こします。

亜鉛の1日あたりの推奨量、耐容上限量

亜鉛の1日あたりの推奨量

18歳以上の亜鉛の1日あたりの推奨量および耐容上限量(mg)は、以下のとおりです。

男性
18~29歳 10 40
30~49歳 10 45
50~69歳 10 45
70歳以上 9 40

女性
18~29歳 8 35
30~49歳 8 35
50~69歳 8 35
70歳以上 7 35
妊婦は+2、授乳婦は+3

左が推奨量、右が耐容上限量です。

詳しい表を以下に掲げます。

厚生労働省HPより

亜鉛と過剰症、耐容上限量

亜鉛は通常の食事で過剰症になるおそれはほぼありませんが、サプリメントや亜鉛強化食品などの過剰摂取に注意する必要があります。

亜鉛はや銅などと拮抗するため、亜鉛を過剰摂取すると鉄や銅の欠乏症を生じるおそれがあります。

そのため、男女ともに耐容上限量が定められ、1日あたり男性は40~45mg、女性は35mgまでとされています。

亜鉛の急性中毒では胃の障害やめまい、吐き気が見られます。

慢性的な過剰摂取では、の欠乏による貧血、神経症状や免疫障害などを生じます。

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亜鉛を多く含む食品

亜鉛は肉類や魚介類、大豆製品など、たんぱく質を含む食品に豊富です。また、ナッツ類や藻類にも豊富です。

牡蠣(生)13.2
タラバガニ(ゆで)4.2
アサリ(缶詰水煮)3.4

豚レバー 6.9
牛肩ロース赤身肉 5.6
牛もも赤身肉 4.5

凍り豆腐 5.2
納豆 1.9

焼き海苔 3.6
カットわかめ 2.8

アーモンド(フライ味付け)4.4
ピーナッツ(炒り)3.0

亜鉛の上手な摂り方

成長期、ストレス時、ダイエットなどによる低栄養状態などで亜鉛は不足しがちになります。

精白していない穀類などに多く含まれるフィチン酸、加工食品に添加物として多く含まれるポリリン酸(リン酸塩)、食物繊維などによって吸収が阻害されます。

リン酸(ミネラル)の働き、効果、食べ物、不足や取りすぎの症状は?

また、アルコールを多く摂取した場合も亜鉛の消費が増大しますので、これらの飲食物を摂りすぎないようにすることが大事です。

一方で、鉄分と同じく、動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収されやすくなります。

鉄分の働き、多く含む食品、不足や過剰の症状、一日摂取量は?

亜鉛の欠乏症・過剰症まとめ

亜鉛が欠乏したり過剰になったりすると、以下のような症状を引き起こします。

亜鉛の欠乏症

成長障害
食欲不振
味覚障害
うつ状態
免疫能低下
生殖機能異常
催奇性
皮膚炎
慢性下痢
低アルブミン血症
汎血球減少
性腺発育障害

亜鉛の過剰症

めまい
吐き気
胃障害
神経症状
腎障害
貧血

亜鉛まとめ

亜鉛について、以下に簡潔にまとめます。

亜鉛の主な働き

細胞の新陳代謝や成長促進、性機能の発達や維持、味覚の維持、インスリン合成

亜鉛を多く含む食品

肉類や魚介類などのたんぱく質を多く含む食物に多い。植物性では大豆製品やナッツ類に多い。

魚介類(牡蠣、カニなど)
レバー
牛肉
大豆製品(納豆など)
藻類(海苔、わかめなど)
ナッツ類(アーモンド、ピーナッツなど)

亜鉛の1日あたりの推奨量

18歳以上の亜鉛の1日あたりの推奨量および耐容上限量(mg)

男性
18~29歳 10 40
30~49歳 10 45
50~69歳 10 45
70歳以上 9 40

女性
18~29歳 8 35
30~49歳 8 35
50~69歳 8 35
70歳以上 7 35
妊婦は+2、授乳婦は+3

左が推奨量、右が耐容上限量です。

亜鉛を食べ物から上手に摂る方法

亜鉛は鉄や銅と拮抗するので、鉄や銅の過剰摂取を控える。

精白していない穀類に多いフィチン酸や、加工食品の添加物に含まれるポリリン酸や、食物繊維によって吸収が阻害されるので、これらの食物を摂りすぎないようにする。

また、アルコールにより亜鉛が消費されるので、お酒も飲みすぎないようにする。

一方で、動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収効率が上がる。

↓↓各ビタミン・ミネラルの働き、多く含む食べ物や食べ方、欠乏症や過剰症などについて

こちらでビタミン・ミネラルについて、簡単にまとめています。

主要(多量)ミネラル
カルシウムと骨、ビタミンD、エストロゲン
リンと骨、細胞膜、DNA、インスタント食品
マグネシウムと骨、心筋梗塞、生活習慣病
ナトリウムとむくみ、高血圧、カリウム、減塩対策
カリウムと高血圧、脳卒中、ナトリウム、腎臓

微量ミネラル
鉄分とヘム鉄、非ヘム鉄、不足の症状、女性の摂取量
亜鉛と味覚、成長、生殖機能、インスリン
銅と貧血、白髪、抜け毛、鉄や亜鉛との関係
マンガンと骨の成長、糖脂質代謝、性機能
ヨウ素と甲状腺ホルモン、乳幼児の発達
セレンと抗酸化作用、水銀やヒ素やカドミウムの毒性

脂溶性ビタミン
ビタミンAとβカロテン、抗酸化作用
ビタミンDと骨とカルシウム
ビタミンEと過酸化脂質と抗酸化作用
ビタミンKと骨と血液凝固と新生児

水溶性ビタミン
ビタミンB1とアルコール
ビタミンB2と脂質の代謝
ナイアシンとアルコール、トリプトファン
ビタミンB6とアミノ酸、つわり、月経前症候群
葉酸と妊娠、DNA、動脈硬化
ビタミンB12と葉酸の関係、欠乏症、消化吸収の特徴
パントテン酸と糖質・脂質の代謝、神経伝達、善玉コレステロール
ビオチンと卵白、アトピー、血糖値、胎児