レコーディング・ダイエットの創始者である岡田斗司夫さんは、1年で50キロという大減量を成し遂げましたが、リバウンドしてしまいました。

岡田斗司夫さんがテレビに出演した際、視聴者アンケートで8割近くの人が「レコーディングダイエットを信じない」と回答したそうです。

そう回答した人たちの気持ちはとてもよく分かりますが、それでも私はこのノウハウは非常に有効だと確信しています。

そう考える根拠について述べてみたいと思います。

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レコーディング・ダイエットの概要

レコーディング・ダイエットのレコーディングとは「記録」という意味です。食べた物をメモ帳にひたすら記録していくだけという、非常にシンプルなダイエットノウハウです。

創始者である岡田斗司夫さんの著書「いつまでもデブと思うなよ」が出た2007年に、一大ブームを巻き起こしました。

○年○月○日

○時○分 バナナ2本 160kcal
○時○分 吉野家 牛丼 並盛り 670kcal
○時○分 ポテチ1袋 480kcal

岡田斗司夫さんは、毎日ひたすらこんなメモを取ることだけで、わずか1年ほどで117キロから67キロへ、50キロの大減量を達成しました。

にわかに信じがたいのですが、実際に岡田斗司夫さん、痩せてましたからね。別人みたいな姿は記憶に新しいですよね。

とは言え、こういうメモを毎日欠かさず取り続けるのは、実際には想像以上に大変です。ポテチを1枚でも食べたら、即座にメモしなければならないので、常日頃から結構な緊張感が要求されるはずです。

その緊張感を習慣化して持続させられるかどうかがカギでしょうね。

さすがに岡田斗司夫さんは、そのことがよく分かっていたようで、いきなり上のような細かいメモや、カロリー制限を強いることはありません。

最初はユルく始めて、だんだん負荷を上げていくことを推奨しています。ロケット打ち上げに例えて、助走・離陸・上昇・巡航・再加速・軌道到達・月面着陸なんて、各フェーズにうまいネーミングを施しています。

  1. 最初はカロリー制限一切ナシで、食べたものをひたすらメモするところから始まります。
  2. 慣れてきたら食べたものだけでなく、カロリーの数値も記録していきます。(まだカロリー制限はしない)
  3. さらに慣れてきたらいよいよカロリー制限に入っていきます。
  4. さらに段階が進むと、運動や他のダイエット法を取り入れてみたりと、興味に応じて幅を広げていきます。

とても上手に段階を踏ませていますよね。このやり方だと、徐々に、しかし確実にダイエットにコミットしていけるでしょうね。

実際にこの段階を踏んで、岡田斗司夫さんは1年で50キロの大減量を達成しました。

岡田斗司夫さんがリバウンド。その理由とは?

「いつデブ」が出た2007年から数年間は、岡田斗司夫さんはそのスリムな体型を維持し続けていました。さらに痩せて62キロまで落としたみたいですね。

しかし、現在の岡田斗司夫さんは、見事に?リバウンドを果たし、以前ほどではないですが、結構なふくよか体型に戻ってしまっています。

以前、リバウンド後にテレビに出演したときに「ダイエットに飽きてやめてしまったから」と、その理由を語っていましたね。

レコーディング・ダイエットがあまりにも話題になりすぎて、メディアからの取材が殺到したそうですが、あまりに同じことばかり聞かれて同じことばかり答えているうちに、嫌気が差してしまったのだそうです。

まあ、それが本当の原因かどうかは分かりませんが、いずれにしても飽きてしまった、というのが最大の理由だったみたいですね。

「飽きてしまった」ことがリバウンドの理由ということで、現在の岡田斗司夫さんは「飽きない」ことが大事だと考えているようです。

飽きないやり方、楽しめるやり方なら何でもよいということで、例えば流行りのダイエット法に飛びつくのもアリだと言っていました。

流行りのダイエット法は、メディアを賑わせ、身近にも芸能人にも実践者がたくさん出てくるから、一緒にモチベーションを共有しながら楽しく実践しやすいから、というのがその理由だそうです。

岡田斗司夫さんのリバウンドを分析してみた

この話を聞きながら、岡田斗司夫さんはリバウンドするべくしてリバウンドしたのだな、と思いました。

リバウンドの最大の理由が「飽きたから」というのは、岡田斗司夫さんに関して言えば、本当にそうなんだろうと思います。

「飽きた」ことが理由でダイエットをやめてしまうということは、ダイエットをゲーム感覚でとらえていた、ということが言えると思います。つまり、そのゲームにハマっている、飽きていない期間だけに限定されたゲームだったということです。

ゲームはいずれ飽きてしまうものです。しかも飽きたらもう二度と遊びません。何年も前にハマって、飽きてアンインストールしたスマホのゲームを、今ふたたびインストールして熱中するなんてことは、普通ありませんよね。

岡田斗司夫さんにとってのダイエットは、そんな感じの位置づけなんじゃないかな、と思います。岡田さんの言っている「流行りのダイエットに乗っかる」というのは「新作ゲームをプレイする」という感覚でしょうね。

もっとも、岡田斗司夫さんの場合は、レコーディングダイエットという手法を確立し、世に広めることができたから、それで満足してしまった、という、違うレベルの話なのかもしれません。

岡田斗司夫さんはガイナックスというアニメ制作会社の初代社長を務めていましたが、あっさり辞めてしまいました。その理由というのが「会社は創り上げるまでが楽しい。いったん出来上がってしまえば、後は誰がやっても同じ。だから飽きてしまった」といった内容だったと記憶しています。

そういう意味では、岡田斗司夫さんのこのレコーディング・ダイエットに対する姿勢も、一貫していると言えるかもしれません。

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レコーディング・ダイエットはなお有効と私が考える理由

岡田斗司夫さんはリバウンドしてしまいましたが、だからと言ってレコーディング・ダイエットの手法が使えない、というわけではないはずです。

むしろ、私はレコーディング・ダイエット自体は普遍性のある、本質的なダイエットノウハウだと考えています。

ダイエットの要点は「摂取カロリー<消費カロリー」の不等号を満たす生活を送り続けることですから、日々食べた物のカロリーを把握するのは大前提です。

つまり、いかなるダイエットも「レコーディング」から始まると言えます。

ここを横着して、カロリーをきちんと記録せずに、自分の感覚だけで判断すると大失敗します。例えば、コンビニに売っているちっちゃな菓子パンが、平気で1000kcal(!)近くあったりします。また、無意識に飲んでいるジュースだけで一食分以上のカロリーを摂ってしまうことはザラにあります。

そういう「無意識のうちに取り込んだカロリー」を闇に葬り去るのではなく、すべて「見える化」するというのが、このダイエットの主要なポイントの1つになります。

レコーディングによって毎日の摂取カロリーをきちんとはじき出すことができれば、あとどのくらい食べればよいのか、運動すればよいのかもおのずと分かります。

摂取カロリーを把握しないでダイエットすると、どうなる?

逆に、摂取カロリーを把握せずに、適切な食べる量や運動量を決めることはできません。

そうするとどうなるか。

わけも分からずに、やみくもに食べる量を抑えたり、やみくもに運動しまくったりします。どのくらいが必要かつ十分なのかを把握できていないので、そうならざるを得ないわけです。

その先に待っているのは、挫折・リバウンドです。

摂取カロリーも消費カロリーも、一切把握しないままダイエットを続けるのは、肉体もさることながら、精神的な不安がとても大きくなります。

真っ暗闇の中を、方角も距離もペースも分からずに、ひたすら全力疾走し続けるようなものです。そうではなく、視界が開けた状態で、ゴールまでの方角と距離を把握した上で、無理のないペースで走らなければならないのです。

ゴールはここで、方角はこっち。距離はこれだけ。それならこのペースで○日かかるな、といった具合です。ダイエットも同じです。

「目標は60キログラムで現在70キログラム。1日の摂取カロリーが1800kcalで消費カロリーが2300kcalなら、1ヶ月で2キログラム落とせる。だったら目標まで5ヶ月かかるな」

こういう風に、先の見通しを明るくしなければ、意思の弱い私たちはすぐに不安に駆られてしまい、ダイエットを続けることは到底できません。

そして、この摂取カロリーと消費カロリーの部分に、自分が無理なくできる数値を当てはめてみるのです。そうすれば目標まで何ヶ月(何年)かかるかを予測することができます。

やってしまいがちなのが、逆に、「○ヶ月で目標まで落とす」とこちらを先に決めてしまうことです。これをやると、たいていの場合、摂取カロリーと消費カロリーが非現実的な数字になってしまいます。

なぜこれをやってしまうかと言うと、目標を掲げるだけなら、何の知識がなくてもできるからです。

摂取カロリーと消費カロリーをきちんと把握するのは知識がいります。しかし、この知識なくしては、無理のない、自分に可能なペースの設定ができません。可能なペースを設定できなければ、そのダイエットは途中で挫折します。

その知識を得るために必要な作業が、まさにこの「レコーディング」に他ならないわけです。

まとめ

レコーディング・ダイエットで主張していることは本当に単純なことで、「食べている物のカロリーを把握しろ」これだけなのです。

そして、それこそが、あらゆるダイエット法のスタート地点になるのです。

レコーディング・ダイエットでは、食べている物のカロリーを完全に漏らさず把握し、それを継続的なカロリー制限につなげていくための具体的な方法が、非常に分かりやすく、実践しやすいやり方で説かれています。

岡田斗司夫さんご自身はリバウンドしてしまいましたが、このレコーディング・ダイエットの理論・ノウハウそのものは普遍的なものだと私が考える、これがその理由です。

PS では、なぜその普遍的なはずのノウハウを実践しておきながら、岡田斗司夫さんはリバウンドしてしまったのか?

岡田さんのレコーディングダイエット実践の経過を観察していると、大きな理由が2つ見えてきます。
>レコーディングダイエットで岡田斗司夫がリバウンドした2つの理由を分析。