1日1食ダイエットと言えば、南雲先生が有名ですが、痩せないという実践者の声も多く聞きます。

それどころか、逆に太ってしまう人も少なくありません。

1日1食という少食にもかかわらず、なぜ痩せなかったり逆に太ってしまうのか、その理由と対策について述べてみたいと思います。

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1日1食ダイエットとは

1日1食ダイエットとは、1日に1食だけ食べるというもので、食べる時間は特に決められていません。

朝だけという人も、昼だけという人も、夜だけという人も、午後4時くらいという人もいます。

1日1食ダイエットでは、南雲先生のように成功してリバウンドもしない人もいますが、痩せなかったり逆に太ってしまう人も少なくありません。

1日1食で逆に太ってしまう人のパターン

1日1食で逆に太ってしまう場合は、次の2通りの可能性があります。

・1日1食の食事以外に間食してしまっている
・1日1食の食事でカロリーを摂り過ぎている

それぞれ見ていきましょう。

1.1日1食の食事以外に間食してしまっている

これは1日1食に限らず、ダイエットをしているのに痩せない、または逆に太ってしまう人に非常に多いパターンです。

よく「私あんまり食べないのに太っちゃうの」と言う人がいますが、こういう人はたいていこのパターンです。

その人にとっての「食べる」というのは、あくまで朝昼晩の3食のことで、お菓子などの間食はノーカウントなんですね。

テレビを見ながらテーブルの上のせんべいをポリポリ食べる。せんべいが終わったら、おもむろにキッチンに行って、また新しいスナック菓子を開ける。

こういうことを日常に無意識のうちにやってしまっています。

あまりにも無意識なため、口を動かしながらしっかり食べているのに、自分はその意識がまったくなく、食べたことも記憶にも残っていません。

そして、間食をし過ぎたために、普通の食事はそんなにたくさんは食べられません。

しかし、お菓子というのは、普通の食事に比べて「少ない量で高カロリー」な傾向にあるので、しっかりカロリーオーバーになってしまっています。

一例を挙げると、ご飯は茶碗一杯(150グラム)でだいたい250kcal前後ですが、ショートケーキは一切れ370kcal前後、ポテトチップスは一袋500kcal前後です。

その結果、本人は「あまり食べていないのに太ってしまう。自分は太りやすい体質なんだ」という自己評価を下してしまうのです。

太りやすい体質というのは、遺伝的に確かに存在はするようですが、ダイエットを必要とする肥満体型の人のほとんどは、遺伝的な要因だけでなく、環境的な要因、つまり普段の食生活や運動量に問題があります。

もし「食べないのに痩せない、逆に太ってしまう」という人は、まずは普段から自分が口に入れたものを全部記録してみることをおすすめします。

>レコーディング・ダイエットが本質的である理由とは

このパターンの人は、1日1食以前に、いかに自分が普段からいろんなものを食べすぎているのかを自覚する、その自覚を得ることがスタートラインです。

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2.1日1食の食事でカロリーを摂り過ぎている

上のように、特に間食もしていないのに、1日1食で太ってしまう人はこちらのパターンです。

当然ですが、1日に500kcalを3食摂るよりも、2000kcalを1食摂る方が太ります。このパターンの人は、その1食のカロリーを抑えることが必要になります。

1食で1000kcal前後、多くても1200kcalを超えないようにするべきでしょう。

というのも、たとえば同じ1500kcalでも、500kcalを3食と、1500kcalを1食では、1500kcalを1食の方が断然太りやすいからです。

食事をすると、その直後に血糖値が上がり、インスリンが分泌されます。インスリンは、その血糖をグリコーゲンに変えて、筋肉や肝臓に送り込み、貯蔵します。

しかし、筋肉や肝臓に貯蔵できるグリコーゲンの量には上限があり、その限界を超えて残ってしまった血糖は、すべて脂肪細胞に届けられ、体脂肪として蓄えられてしまいます。

こういう仕組みなので、500kcalを3食に分けた場合よりも、1500kcalを1食で摂取する場合の方が、血糖が体脂肪に蓄えられやすくなるのです。

ごく単純化して言うと、もし1200kcalを超えた分は全部体脂肪行きだとすると、500kcalを3食では体脂肪の蓄積はゼロですが、1500kcalを1食だと300kcal分の体脂肪が蓄積してしまいます。

ですので、1日1食で太ってしまう人は、その1食のカロリーを今よりも抑えることが必要になります。

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1日1食でも痩せない人のパターン

1日1食で逆に太るまでは行かなくても、痩せない、という人も多いです。こちらに関しては次の2パターンが考えられます。

・最初から痩せない
・最初は順調に痩せたが、ある時点でこれ以上痩せなくなった

順に見ていきましょう。特に2番目のものが厄介かもしれません。

1.最初から痩せない

1日1食を始めたものの、しばらくしても体重が増えも減りもしない人もいます。

このパターンは、上の食べ過ぎで体重が増えてしまうパターンと基本的には同じです。ただ、その量が極端に多いわけではないので、増えるわけではないが、減りもしないわけです。

このパターンの場合は、もっとカロリーの量を減らすとよいです。

また、無意識に間食をしてしまっている可能性もありますので、その可能性が疑われる場合は、口に入れたものをすべて記録する習慣をつけましょう。

レコーディング(記録)がダイエットにおいて本質的である理由とは?

2.最初は順調に痩せたが、ある時点でこれ以上痩せなくなった

1日1食ダイエットで、いちばん本質的でいちばん厄介なのがこのパターンです。

間食もせずに、1食のカロリーも抑え気味にした結果、順調に体重が落ちていった。ところが、ある程度体重が落ちていくと、同じような食生活を続けているはずなのに体重が落ちなくなった、というパターンです。

このパターンの人は、しっかり目的意識をもって、しっかり節制できている人が多いです。

この場合は、やり方に問題があるというよりは、1日1食に慣れるに従って、肉体自身がその食環境に合わせて体質を作り変えていることが理由になります。

いわゆるホメオスタシスです。

>ダイエットが停滞する理由、ホメオスタシスについて

1日の合計摂取カロリーが減っているので、その少ないカロリーの中でやりくりしようと、体質そのものが変わってしまうのです。

具体的には、「少ないカロリーでやっていける身体に作り変わってしまう」のです。

それまで2000kcal必要だった身体が、環境の変化により1200kcalしか摂れないとなると、そのままでは危機的状況です。

そのため、何とかして1200kcalでもやりくりできる体質に変わろうとした結果、基礎代謝が落ち、消化吸収効率も向上します。

このように、外部の環境の変化が起きても、体内の環境を乱さずに一定に保とうとする働きをホメオスタシスといいます。

2000kcal必要だった人が、1日1食で1000kcalに制限すると、1000kcal分不足するので、最初は順調に体重が落ちていきます。

しかし、1000kcal不足というのは、本来身体にとってはかなり危機的な状況です。なので、ホメオスタシスが発動し、やがて1日の必要カロリー自体が1000kcalで済むように体質が変わってしまいます。

基礎代謝が落ち、栄養の吸収効率も上がってしまっています。

一度この状態になると、それまでどおり1日1食1000kcalを摂り続けても、太りもしないが痩せもしません。

これが「最初は順調に痩せたが、ある時点でこれ以上痩せなくなった」人の陥っている状況です。

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ホメオスタシスにどう対処すればいいのか?

ホメオスタシスによる停滞の解決策としては、基礎代謝を上げることです。

方法としては、運動をして筋肉をつけることです。

また、ホメオスタシスというのは、環境を改善すれば解除されるので、摂取カロリーの水準を引き上げるという方法もあります。

しかし、単に摂取カロリーを増やすだけでは太ってしまいますので、運動をして消費カロリーを増やすことで、太らないようにします。

つまり、摂取カロリーが1200kcalで運動なし、という生活から、摂取カロリー1500kcalで300kcal分の運動をする、という具合に切り替えていくのです。

カロリー収支は1200kcalで変わりませんが、極端なカロリー制限によるホメオスタシスの発動を解除することができれば、基礎代謝の水準も戻って、ふたたび順調に体重が落ち始めるはずです。

いずれにしても、1日1食で停滞したら、突破口を見つけなければなりません。

あきらめて、単に食生活を元に戻すだけだったら、即座にリバウンドしてしまいます。

まとめ

1日1食でこれ以上体重が落とせないと思ったら、考え方は2通りあります。

一つは、そのままの生活をずっと維持することです。その体重で満足しているのであれば、それ以上痩せる必要はありませんので、これで十分でしょう。

ただし、ちょっとでも生活が変わって、摂取カロリーを増やしたりすると、すぐに体重が戻ってしまいますので、この生活を生涯続ける覚悟が必要です。

もう一つは、食事制限だけでなく、運動を取り入れることです。つまり、摂取カロリーを減らすことだけでなく、消費カロリーを増やす方向へ発想を変えることです。

運動して、筋肉をつけ、基礎代謝を上げ、一日の消費カロリーを増やす。

そうすることで、1日1食のような極端なカロリー制限をせずとも、同等以上の効果で痩せていくことができるはずです。

最後に、個人的な意見ですが…

個人的には、1日1食というのは、食べる楽しみの回数が減ってしまうし、空腹に耐える忍耐力もかなり必要とされるので、あまり気が進まない方法ではあります。

摂取カロリーがかなり少ないので、脂肪も落ちる代わりに筋肉も落ち、基礎代謝も落ちやすいダイエット方法であることも気になります。

肉体にかなり負担を強いて、粗食でも耐えられる体質に無理やり作り変えるダイエット方法だとも言えます。

粗食に適応した後は、もはやこれ以上体重は落とせず、しかもちょっとでもぜいたくをするとすぐに太ってしまいます。

ですので、ずっと一生、1日1食を続ける覚悟があるなら、実践してもよいと思います。

南雲先生は、とても意志と行動力の優れた人で、おそらく生涯1日1食を続けるおつもりなのだろうと思います。

しかし、そうではなく、もしあなたが「ある程度痩せたら、元の食生活に戻したい」という心づもりでしたら、1日1食には最初から手を出さない方がよいと思います。

その場合は、摂取カロリーと消費カロリーをきちんと計算、コントロールし、「食べて、運動しながら少しずつ痩せていく」という王道のダイエット法をオススメします。

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