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人生を変えたい思っても、なかなか思うように変えられないですよね。

でもそれは、私たちの性格や適性の問題ではなく、やり方を知っているかどうかの問題に過ぎない、と聞いたら驚きますか?

そして、そのやり方を具体的に教えてくれる本があったとしたら?

こちらの本は、人生を変えるための具体的な思考や行動を、ワークショップ形式で学んでいく、ハーバード大学の超人気講義がもとになっています。

ハーバードの人生を変える授業

具体的なトレーニング内容は本書にゆずるとして、ここでは私が個人的に刺さったフレーズをいくつか取り上げてみたいと思います。

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やっぱり習慣化

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「繰り返し行なわれることが我々の本質である。さすれば卓越するということは行動ではなく、習慣に現れるものである」(アリストテレス)

こちらでレビューした本にも書かれていますが、人生を変えることは、多くの良い習慣を身につけることによってのみ実現できます。

なぜなら、人生とは習慣のかたまりだからです。

個人であれ、組織であれ、変化しようとするもののほとんどが失敗します。

変化するために必要なのは、自制心を養うことではなく、習慣を取り入れることだ

人生を変えたいと多くの人が強く望んでいるのに、なかなかうまくいかない。その最大の理由は、「変化したい」人(や組織)は、「ちょっと変化したい」のではなく「劇的に変化したい」と考えているからだと思います。

なぜ「劇的に変化したい」と考えることが、うまくいかない理由になるのでしょうか?

実際には「劇的に変化したい」と考えて、それを実現することは十分に可能なことです。ただ、このように望む人は「劇的に変化する」ためには、「劇的に行動しなければならない」という思い込みを持ってしまいがちなのです。

その結果どうなるかと言うと、ものすごく高い目標を掲げてしまい、その実現のために「1日12時間の努力を365日欠かさず続ける」という計画を立てたりします。

そして、ほとんどの場合、すぐに挫折してしまい、「自分で決めたこともできない、自分はダメなヤツだ」と不全感にさいなまれてしまうのです。

しかし、これは、その人の性格や能力がダメなのではなく、たんにアプローチの仕方がダメだっただけです。劇的に変化することを目標にしても、実際に自分が取れる行動は劇的であってはダメなのです。

筋トレと全く同じです。ガリガリの人が、マッチョになりたいからと言って、いきなり100㎏のベンチプレスから始めたりはしないはずです。そんなのは無理だと最初から分かっているからです。また、100㎏が挙がらないからと言って、「オレは貧弱でダメな男だ」なんて思わないはずです。

筋トレでは決してしないことを、こと仕事や勉強やダイエットなどになると、やってしまう人が実に多いのです。物理面の負荷と違って、精神面の負荷は目に見えず曖昧ですから、甘く見てしまう人が多いのだろうと思います。

劇的に変化するという目標を掲げるのはOKですが、そのための行動は劇的であってはいけません。筋トレと全く同じで、「ごく弱い負荷から小さく始める」のがコツです。

そして、少しずつ負荷を上げていきながら、それをコツコツを長期間にわたって継続する。これだけがあなたの人生に劇的な変化をもたらします。

「劇的に変化すること」に対応する「劇的な行動」があるとすれば、それは「やめない、長く続ける」ことなのだと思います。何十年も一つの仕事を続けたり、趣味に打ち込むというのは、それ自体とても劇的なことだと思います。

そして、「初日から100㎏のベンチプレスをやること」と違い、こちらの方は誰にでも可能なことです。

だから、「劇的に人生を変えたい」と思ったら、「劇的に長く続けられる」ことを目指して始めるべきです。

そのためには、「小さく始める」のがコツです。「100㎏ではなく、5㎏」「1日12時間ではなく、1日10分」そんなレベルからでも十分です。負荷は慣れてきてから、少しずつ上げていけばいいのです。

何をやっても長続きしないとお悩みのあなたへ。継続するのに根性や意志の力はいらない

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「フロー状態」が幸せに生きるためには大事

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私たちは遊びのほうを好んでいるにもかかわらず、「フロー」の状態を体験するのは、仕事でのほうが多いという事実です。「フロー」とは「ゾーン」に入った状態、つまりその行為に完全に没頭し、最高の結果を出し、それを心から楽しんでいる状態のことです。

確かにそうかな、と思います。でも、遊びでもフロー状態になることはよくあります。私は将棋が趣味なのですが、子供の頃を思い返すと、ものすごくのめり込んで、その日一日将棋のことしか考えられなくなる状態になることがよくありました。それはフロー状態だったと言ってよいと思います。

しかし、大人になった今では、将棋でフロー状態になることはほとんどなくなりました。今にして思うと、子供の頃に将棋であれほどフロー状態漬けになることができたのも、「将棋のことだけを考えていられたから」だと思います。今では到底無理です。

好きなことでなくてもフロー状態には簡単に入れる

思うに、フロー状態になりやすいかどうかは、仕事か遊びかということは本質ではないのではないでしょうか。

フロー状態になるためには、「一日のうちに、そのことだけを長時間考えていられる」環境が必要です。せっかく取り掛かっても、予定が立て込んでいたらフロー状態に持っていくことは難しいです。

○時からこれをやって、その後○時からこの人に会って…という風に、後に別の予定が入っていたりすると、どうしても今取り掛かっている作業に注ぎ込めるエネルギーをセーブしてしまいます。「全力投球」と口で言っても、無意識のうちにセーブしてしまっているはずです。

その結果、フロー状態に入り込めなくなるのです。そういうわけで、特に遊びにおいては、フロー状態に関しては、子供の方が大人よりも圧倒的に有利になります。それだけに長時間没頭していられる環境を与えられているからです。

しかし、大人にだって、そのような環境が与えられる可能性はあります。それが仕事です。

遊びと違って仕事なら、その日一日そのことだけを考えていられる環境を与えられることは、大人になっても珍しくないでしょう。ですから大人になっても、仕事でフロー状態に入り込むことは、(遊びに比べれば)たやすいはずです。

大人になると、趣味というものは、優先順位が下がってしまうため、没頭しきれなくなるということもあるでしょう。一方仕事は、あまり乗り気でなくてもやらなければならないので、それなりにまじめに集中して取り掛かります。

仕事だろうが趣味だろうが、他のことに目をそらせない状態で、ある程度長時間一つのことに集中すると、自然とフロー状態に持っていけます。

つまり、フロー状態とは、

  1. それだけに日がな一日没頭していられる、もしくはしなければならない環境が与えられていて、
  2. ある程度長時間集中して取り組んでいる

という条件がそろったときに実現するもので、大人の場合はそのような行為は遊びではなくて仕事である場合が圧倒的に多い、ということなのだと思います。

ここで、その作業が好きか嫌いか、というのはあまり関係ないと思います。これしかできない、という環境で、ある程度長時間集中して取り組む、というのが肝要です。

たとえば掃除なんかそうですよね。乗り気じゃないのに、一度やり始めたら、いつの間にかのめり込んでしまった経験、ありませんか?これもフロー状態ですよね。

と言うことは、フロー状態は「やらなければならないことに、専念する」ことで、わりと簡単に実現できるということです。

もちろんその場合、そもそも取り掛からなければ始まらないので、とにかく「着手する」ことが大事になります。

結局、行動すること

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人生でいちばん大事なことは、結局、知識ではなく行動だ

結局これに尽きるのだと思います。習慣化にしても、フロー状態にしても、まず行動ありきです。行動を始めなければ絶対に実現しません。自分の人生を本気で変えたければ、行動を起こすことが何よりも大事です。

しかし、自分の人生を変えたいと思っている人ほど、くよくよして何も行動に移せないものです。それは人生を変えるということを、大げさに捉えすぎているからだと思います。

10年後にどうなっているか、という目標を掲げることはもちろん大事ですが、日常の行動ではその目標は忘れましょう。今あるこの時間、この10分間に何をやるべきかを考えてこそ、行動を起こせます。行動というのは、今この瞬間にしか起こせません。

この本では、何をすることから始めればいいのか、具体的に手取り足取り教えてくれます。ハーバードの学生が押しかけた理由がよく分かります。

よしず後記

よしず

フローとかゾーンとか最善主義とか完璧主義とか、日本で出回っている自己啓発本の定番ワードがたくさん出てきますが、この本あたりから広まったのでしょうね。

それにしても、こういう「人生」「生き方」という抽象的・観念的になりやすい題材まで、具体的で分かりやすい、実践的な学問に落とし込むところが、さすがアメリカ的だなと思いました。