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あなたは、「自分には何もない」と考えていますか?

もしそうだとしても、安心してください。あなただけではありません。あのホリエモンこと堀江貴文さんほど多くのものを得た人でさえ、そうなのです。

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

自分で作った会社を追放され、実刑判決をくらって収監され、なにもかも失って「ゼロ」に戻ってしまったホリエモンの自伝的著作です。

ホリエモンが自らの生い立ちを語る中で、そこから学んだ仕事や人生についての含蓄の深い言葉がたくさんちりばめられた好著です。特に仕事に対しての考え方は非常に参考になります。

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楽して成功する方法

物事の出発点は「掛け算」ではなく、必ず「足し算」でなければならない。

ホリエモン流のうまい表現だな、と思いました。ゼロに何を掛けてもゼロなので、ゼロにイチを足すことから始める。

つまり、実力も何もないうちから人脈を広げようとか、お金が入ってくる仕組みを作ろうとか、儲かりそうなアイデアをひらめこうとかを狙うのではなく、とにかく自分自身の実力をつけることです。

自分に実力が備わっていないうちに、交流会みたいなところで名刺だけをたくさん交換しても、意味がありません。実力のない人のところに仕事やチャンスは回ってきません。

どんな分野でも、ちょっと話せばその人の実力の程度はすぐに分かります。というか、実力がなければ話ができません。そして、話ができない人に仕事やチャンスを回す人はいません。

「人と話ができる」人になるためには、誰にも頼らず、地道にコツコツ実力を身に付けていくほかありません。

また、ゼロをイチにするだけでは不十分で、それをさらに2、3、5、10と高めていかなくてはなりません。1に5を掛けても5にしかなりませんが、10に5をかけると50になります。

つまり「足し算」によって9の実力差をつければ、その後の「掛け算」で45もの差をつけることができるのです。

これがホリエモンの考える「楽して成功する方法」です。逆に言うと、ゼロにイチを足すところは絶対に楽をしてはいけない、ということです。

イチを足すために必要なこと

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勉強でも仕事でも、あるいはコンピュータのプログラミングでもそうだが、歯をくいしばって努力したところで大した成果は得られない。努力するのではなく、その作業に「ハマる」こと。なにもかも忘れるくらいに没頭すること。

いわゆる「フロー状態」についての話ですね。フロー状態についてはこちらの本でも取り上げられています。

若きホリエモンは、中学生時代からプログラミングにハマって、非常に優秀なプログラマーとしてキャリアをスタートさせました。そこで描かれるプログラミングの勉強の様子や、会社を立ち上げてからの働きぶりは、まさにこの「フロー状態」がずっと続く状態でした。

ホリエモンは「プログラミング」という分野に「ハマる」ことによって、ゼロにイチを足したのです。

では、「努力する」と「ハマる」の違いは何でしょうか?

私が思うに、それは「そのものだけを視野に入れているかどうか」だと思います。つまり、たとえば数学を勉強しているときに、数学の具体的な計算や論証だけに頭をこね回している状態です。

数学の問題を解きながら、「あーやっぱり数学苦手だ」とか「そもそも数学なんて何の役に立つんだ」とか、少しでも頭によぎったらアウトです。

そこまでいかなくても、たとえば「あと3問だな」とか、「この問題が終わったら休憩しよう」とかでも、やはりフロー状態とは言えません。

つまり、「作業している自分を外から見ている」ような視点が少しでも入ったらダメなのです。

俯瞰的、メタ的視点、と言えば賢くてカッコよさげに聞こえますが、それはフロー状態を邪魔するものでしかありません。

大人になると、いろいろ知恵がついて、いろんな物事を俯瞰的、メタ的に見るようになります。それは戦略的に考える際に必要なことではありますが、往々にして「ハマる」ことへの妨げになってしまいます。

「そもそも数学なんて何の役に立つんだ」は、一見、数学の価値そのものを問うメタ的な質問の姿をしていますが、何のことはない、ただ単に数学を勉強するのが嫌なだけです。

次のページで、仕事や恋愛、人生の時間についてのホリエモンの言葉が続きます。