パントテン酸(ビタミンB5)は、コエンザイムA(CoA)の構成成分として、糖質や脂質の代謝、神経伝達に欠かせないビタミンです。

また、ストレスの軽減や善玉コレステロールの合成にも関わって動脈硬化を防ぐなど、私たちの健康に非常に重要な役割を果たしています。

そんなパントテン酸の働き、食べ物、欠乏症や過剰症などについて、簡単にまとめてみました。

Sponsored Link

パントテン酸とは

パントテン酸は、糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーを生み出す代謝や神経伝達に欠かせないビタミンB群の一種です。

パントテン酸は、ギリシャ語で「いたるところにある酸」「どこにでもある酸」という意味で、その名のとおり、あらゆる食品中に広く含まれています。

さらに、腸内細菌でも合成されるので、バランスの取れた、一般的な食生活を送っていれば不足することはありません。

ただし、抗生物質などを服用していると、腸内細菌による合成が進まなくなるため、食品等から多く摂取する必要があります。また、お酒やコーヒーを飲むとパントテン酸の消費が増大します。

パントテン酸自体はパントイン酸とβアラニンが結合したものですが、食品中には、コエンザイムA(CoA)、アシルCoA、アシルキャリアプロテイン(ACP)などの形で存在していて、消化されることでパントテン酸となり、体内に吸収されます。

パントテン酸の構造式は以下のとおりです。

厚生労働省HPより

パントテン酸の働き

パントテン酸は、CoAやACPの構成成分として、クエン酸回路(TCA回路)やβ酸化など、糖質や脂質の代謝に深く関わっています。

CoAから作られるアセチルCoAは、食品から摂取したコリンを神経伝達物質であるアセチルコリンに変えるなど、神経伝達にも欠かせないものです。

また、性ホルモンや、ストレスを緩和する副腎皮質ホルモン、動脈硬化を防いでくれる善玉コレステロール(HDL)などの合成を促進する働きもあります。

その他にも、CoAは糖質・脂質・たんぱく質の代謝において、140以上もの酵素反応に関わるなど、極めて重要な補酵素として知られています。

パントテン酸を多く含む食品

パントテン酸は、ギリシャ語で「どこにでもある酸」という名のとおり、肉、魚介類、野菜、果物、ナッツ類など、さまざまな食品に含まれており、身体にも吸収されやすいビタミンです。

パントテン酸は、あらゆる食品に含まれますが、特に次の食品には多く含まれます。数字は可食部100グラムあたりの含有量(mg)を表します。(1000mg=1g)

鶏レバー 10.10
豚レバー 7.10
牛レバー 6.40

鶏ささみ 1.68

イクラ 47.3
辛子明太子 2.16
子持ちカレイ 2.41
ウナギ蒲焼 1.29

卵黄 4.33

糸引き納豆 3.60
ピーナッツ(煎り)2.19
アボカド 1.65

ひらたけ 2.40
干ししいたけ 7.93

玄米 1.37
そば(生)1.09

パントテン酸の1日あたりの目安量は、18歳以上の男女で4~5mgです。パントテン酸はほとんどの食品にまんべんなく含まれているものなので、バランスの良い食生活を心がけていれば、欠乏する心配はほとんどありません。

ただし、抗生物質を服用していたり、お酒やコーヒーをたくさん飲む人は、パントテン酸を多く摂取する必要があります。

Sponsored Link

パントテン酸の1日あたりの目安量、耐容上限量

パントテン酸の1日あたりの目安量

18歳以上のパントテン酸の1日あたりの目安量(mg)は、以下のとおりです。

男性
18~29歳 5
30~49歳 5
50~69歳 5
70歳以上 5

女性
18~29歳 4
30~49歳 4
50~69歳 5
70歳以上 5
(妊婦は5、授乳婦は5)

詳しい表を以下に掲げます。

厚生労働省HPより

パントテン酸と過剰症、耐容上限量

摂り過ぎた分は速やかに尿として排出されるので、通常の食品を摂取している人の過剰症の報告はなく、耐容上限量も設定されていません。

パントテン酸の上手な摂り方

パントテン酸は水に溶けやすく、酸やアルカリや熱に弱いです。そのため、調理によって半分近くのパントテン酸が壊れてしまうと言われています。

水溶性なので、調理する時はスープやみそ汁、あんかけなど、煮汁ごと食べられる料理がよいでしょう。

パントテン酸の欠乏症・過剰症まとめ

パントテン酸は、糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーを生み出す代謝や、ホルモン合成、神経伝達等に欠かせないビタミンの一種です。

パントテン酸が欠乏したり過剰になったりすると、以下のような症状を引き起こします。

パントテン酸の欠乏症

成長停止
副腎皮質機能不全
皮膚炎
手や足のしびれと灼熱感
頭痛
疲労
不眠
胃不快感を伴う食欲不振

パントテン酸の過剰症

通常の食事をしている人の過剰症の報告はありません。

パントテン酸まとめ

パントテン酸について、以下に簡潔にまとめます。

パントテン酸の主な働き

CoAの構成成分として、体内の様々な代謝やホルモン合成、神経伝達に関わる

パントテン酸を多く含む食品

動物性

レバー
魚介類(イクラ、辛子明太子、子持ちカレイなど)
卵黄

植物性

アボカド
納豆
きのこ類(ひらたけ、干ししいたけなど)
穀類(玄米、蕎麦など)
ナッツ類(ピーナッツなど)

パントテン酸の1日あたりの目安量

単位はmg(1000mg=1g)

男性
18~29歳 5
30~49歳 5
50~69歳 5
70歳以上 5

女性
18~29歳 4
30~49歳 4
50~69歳 5
70歳以上 5
(妊婦は5、授乳婦は5)

耐容上限量は設定されていない

パントテン酸を食べ物から上手に摂る方法

パントテン酸は水に溶けやすく、酸、アルカリ、熱に弱く、調理で失われやすい。水溶性なので、煮汁ごと食べる料理にするとよい。

↓↓各ビタミンの働き、多く含む食べ物や食べ方、欠乏症や過剰症などについて

こちらでビタミン・ミネラルについて、簡単にまとめています。

脂溶性ビタミン
ビタミンAとβカロテン、抗酸化作用
ビタミンDと骨とカルシウム
ビタミンEと過酸化脂質と抗酸化作用
ビタミンKと骨と血液凝固と新生児

水溶性ビタミン
ビタミンB1とアルコール
ビタミンB2と脂質の代謝
ナイアシンとアルコール、トリプトファン
ビタミンB6とアミノ酸、つわり、月経前症候群
葉酸と妊娠、DNA、動脈硬化
ビタミンB12と葉酸の関係、欠乏症、消化吸収の特徴
パントテン酸と糖質・脂質の代謝、神経伝達、善玉コレステロール
ビオチンと卵白、アトピー、血糖値、胎児
ビタミンCと抗酸化作用、コラーゲン、ストレス、鉄分の吸収