ビタミンCは、コラーゲンの合成や抗酸化作用により皮膚や血管を若く保ち、健康や美容には欠かせないビタミンとして知られています。

他に、鉄の吸収を促進したり、神経伝達物質や副腎皮質ホルモンの合成など、様々な働きを持つビタミンC。

そんなビタミンCの働き、食べ物、欠乏症や過剰症などについて、簡単にまとめてみました。

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ビタミンCとは

ビタミンCには、強力な抗酸化作用コラーゲンの合成促進などをはじめ、体内における多くの生理作用に関わっています。

壊血病を予防する研究から発見されたビタミンなので、壊血病(scorbutic)にちなんでアスコルビン酸(ascorbic acid)という化学名を与えられました(aはanti=抗の意味)。

植物や多くの動物は体内でビタミンCを合成できますが、ヒトやサルや類人猿などはビタミンCを合成できないため、ビタミンとして認められています。

ビタミンとは?

普通、ビタミンなどの栄養素は、食べ合わせなどで吸収率が変動しますが、ビタミンCは例外的に、通常の食品でもサプリメントでも、利用率の差がありません。1日200mg程度までの摂取量であれば、いずれも90%程度吸収されます。

ビタミンCの構造式は以下のとおりです。

厚生労働省HPより

ビタミンCの働き

ビタミンCにはいくつもの生理作用がありますが、代表的なものはコラーゲンの合成促進と抗酸化作用です。

ビタミンCとコラーゲンの合成促進

ビタミンCは、コラーゲンの合成に欠かせないビタミンです。

コラーゲンは、細胞同士のすき間を埋める細胞外マトリックスと呼ばれる構造体の材料として、細胞を外から守ったり、支えたりする働きをしています。

コラーゲンがあることにより、皮膚の張り、腱や骨や軟骨の弾力性がもたらされます。また、皮膚のしみやシワを防ぎ、やけどや傷の治りをよくする働きがあります。

体内のたんぱく質のうち、約30%をコラーゲンが占めます。コラーゲンが不足すると、細胞同士の結び付きが弱くなって、血管や皮膚、骨がもろくなり、壊血病を発症します。

壊血病になると、皮下や歯茎からの出血、貧血、顔色が悪くなったり、疲労倦怠、いらいら、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難など、様々な症状が現れます。

生後6~12ヶ月の小児の壊血病は特にメレル・バロウ症といい、出血や壊死、歯の発生障害や骨折、骨の形成不全などが見られます。

なお、成人の場合、壊血病はビタミンCを1日あたり6~12mg程度摂取していれば発症しないとされています。

ビタミンCと抗酸化作用

ビタミンCには強い還元性があり、活性酸素を除去する抗酸化作用を持っています。

また、ビタミンCはビタミンEを再活性化させる働きも持っています。ビタミンEは、自らが先に酸化されることで、細胞の生体膜の脂質が酸化されるのを防ぐという抗酸化作用を持っています。

ビタミンCは、この酸化されたビタミンEを還元し、ふたたび元のビタミンEに再生するのです。

このように、ビタミンCとビタミンEが協力することで、抗酸化作用の相乗効果がもたらされます。ビタミンCは、このような抗酸化作用によって、LDLコレステロール(悪玉)の酸化を防ぎ、血管疾患を予防するなどの重要な働きをします。

これにとどまらず、ビタミンCは、

・ホルモンの合成促進
・鉄の吸収促進
・脂肪の消化やコレステロールの排出を助ける
・メラニン色素の沈着の防止
・ドーパミン、アドレナリンなどの神経伝達物質の合成
・抗ストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの合成
・肝臓における解毒作用を持つ酵素の活性化

など、さまざまな重要な働きを持っています。

ビタミンCの吸収

ビタミンCの食品からの利用率は高く、1日摂取量が200mg程度の場合、およそ90%と言われています。ただし1日摂取量が1グラムを超えると、50%以下に落ち込みます。

また、ビタミンCの体内における量は、消化管からの吸収や腎臓からの排泄などで厳密に調整されており、1日あたり400mgほどで飽和します。それを超えた量は、体内に蓄積せず、速やかに排泄されます。

以上のことから、1日に1グラム以上の大量のビタミンCを摂取しても意味がないと考えられています。

ビタミンCを多く含む食品

新鮮な緑黄色野菜や果物に豊富で、動物性食品にはほとんど含まれません。

野菜では、赤や黄色のピーマン、ブロッコリー、青菜類などに多く含まれています。果物では、特に柿やいちごに豊富に含まれています。また、海藻や海苔などにも多く含まれています。

ビタミンCを多く含む食品の、可食部100グラムあたりの含有量(mg)は以下のとおりです。(1000mg=1g)

赤ピーマン 170
菜の花 130
ブロッコリー 120
かぶの葉 82
大根の葉 53
カリフラワー 81
にがうり 76
ルッコラ 66
モロヘイヤ 65

アセロラ(酸味種)1700
アセロラ(甘味種)800
レモン 100
甘柿 70
いちご 62
キウイフルーツ(緑肉種)69
キウイフルーツ(黄肉種)140
ネーブルオレンジ 60
グレープフルーツ 36

焼き海苔210
板わかめ20

じゃがいも35
さつまいも25

ビタミンCの1日あたりの目安量は、18歳以上の男女で100mgです。

ブロッコリーや菜の花などアブラナ科の葉物野菜、甘柿やいちごやキウイなどの果物類をしっかり摂っていれば、ビタミンCが不足することはほぼないことが分かります。

ただし、喫煙や飲酒をする人、ストレスを抱えがちな人は、ビタミンCの消費量が増えますので、しっかりと多めに摂取することを心がけましょう。

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ビタミンCの1日あたりの推奨量、耐容上限量

ビタミンCの1日あたりの推奨量

18歳以上のビタミンCの1日あたりの推奨量(mg)は、以下のとおりです。

18歳以上の男女 100mg(妊婦は+10、授乳婦は+45)

詳しい表を以下に掲げます。

厚生労働省HPより

ビタミンCと過剰症、耐容上限量

体内のビタミンCの飽和量は1日あたり400mgです。1日あたり1グラムを超えて摂取した場合、消化管での吸収率は50%程度に低下し、さらに超過した分は速やかに体外に排出されます。

そのため、通常の食品を摂取している人で、過剰症の報告はありません。

ただし、腎機能障害を持った人が大量のビタミンCを摂取すると、腎シュウ酸結石のリスクが高まると言われています。

ビタミンCを過剰摂取した場合は、吐き気、下痢、腹痛などが起きます。

ビタミンCの上手な摂り方

ビタミンCは、水溶性で水に溶けやすい上、熱や光に弱く、酸化しやすい成分で、保存中や調理中に非常に失われやすい成分です。

参考:ビタミンCの残存率

ピーマン
30℃の室温で3日…92%
10℃の冷蔵庫で3日…92%
10℃の冷蔵庫で5日…80%

ラディッシュ
泥つきのまま0℃で3日…100%
水洗いして0℃で3日…84%

じゃがいも
5℃で5ヶ月…81%
室温で5ヶ月…72%

ですので、野菜や果物は新鮮なものを、長く保存せず、手早く調理して食べることを心がけましょう。具体的には、そのまま生食したり、さっとゆでる、などの調理法がおすすめです。

じゃがいもやさつまいもは、ビタミンCを豊富に含みます。さらに、いもに含まれるでんぷんがビタミンCを包み込んで守るため、調理による損失を抑えることができ、効率的にビタミンCを摂取できます。

ニンジンがビタミンCを壊す?

なお、ニンジンに含まれるアスコルビン酸酸化酵素(アスコルビナーゼ)がビタミンCを壊すという説があります。

しかし、実際には、その名のとおりアスコルビン酸(ビタミンC)を酸化するだけで、壊すわけではないようです。

酸化されたアスコルビン酸は、体内で元のアスコルビン酸(ビタミンC)に還元されるため、ニンジンと一緒に食べたからと言ってビタミンCが減ることはありません。

実際、日本食品標準成分表では、酸化されたアスコルビン酸も、還元された(通常の)アスコルビン酸も、同じビタミンCとして計算しています。

ビタミンCの欠乏症・過剰症まとめ

ビタミンCは、抗酸化作用、コラーゲンの合成促進、ドーパミンやアドレナリンなどの神経伝達物質の合成、副腎皮質ホルモンの合成、肝臓での解毒作用を持つ酵素の活性化など、様々な生理作用を持っています。

ビタミンCが欠乏したり過剰になったりすると、以下のような症状を引き起こします。

ビタミンCの欠乏症

壊血病
メレル・バロウ症(生後6~12ヶ月)

ビタミンCの過剰症

速やかに尿に排泄されるため、通常の食事での過剰症の心配はありません。

過剰摂取で吐き気や下痢や腹痛を起こすことがあります。

ビタミンCまとめ

ビタミンCについて、以下に簡潔にまとめます。

ビタミンCの主な働き

コラーゲンの合成促進、抗酸化作用、鉄の吸収促進、神経伝達物質の合成、ホルモン合成、肝臓の解毒作用の活性化

ビタミンCを多く含む食品

新鮮な野菜や果物、いも類や海藻類などの植物性食品に豊富で、動物性食品にはほとんど含まれません。

野菜類(赤ピーマン、菜の花、ブロッコリーなど)
果物類(レモン、甘柿、いちごなど)
海藻類(海苔、板わかめなど)
いも類(じゃがいも、さつまいもなど)

ビタミンCの1日あたりの推奨量

単位はmg(1000mg=1g)

18歳以上の男女 100mg(妊婦は+10、授乳婦は+45)

耐容上限量は設定されていない

ビタミンCを食べ物から上手に摂る方法

ビタミンCは水に溶けやすく、熱や光や酸に弱いので、調理や保存の過程で失われやすい。そのため、新鮮な野菜や果物を、長く保存せず、生食やさっと茹でるなどして手早く食べるとよい。

じゃがいもやさつまいものビタミンCは、でんぷんに守られて失われにくいので、これらイモ類はビタミンCのよい供給源となる。

なお、ニンジンの酵素がビタミンCを壊すという説があるが、実際には酸化されるだけで、壊れるわけではない。酸化されたビタミンCは体内で還元されるので、気にしなくてよい。

↓↓各ビタミンの働き、多く含む食べ物や食べ方、欠乏症や過剰症などについて

こちらでビタミン・ミネラルについて、簡単にまとめています。

脂溶性ビタミン
ビタミンAとβカロテン、抗酸化作用
ビタミンDと骨とカルシウム
ビタミンEと過酸化脂質と抗酸化作用
ビタミンKと骨と血液凝固と新生児

水溶性ビタミン
ビタミンB1とアルコール
ビタミンB2と脂質の代謝
ナイアシンとアルコール、トリプトファン
ビタミンB6とアミノ酸、つわり、月経前症候群
葉酸と妊娠、DNA、動脈硬化
ビタミンB12と葉酸の関係、欠乏症、消化吸収の特徴
パントテン酸と糖質・脂質の代謝、神経伝達、善玉コレステロール
ビオチンと卵白、アトピー、血糖値、胎児
ビタミンCと抗酸化作用、コラーゲン、ストレス、鉄分の吸収